ただ、公園でぼーっとしたかっただけなのです…

こんにちは、彦どんです。

今日は用事があり、久々に外出してきました。

外出先への移動途中、住宅街の公園に差し掛かった時、サラリーマン時代の記憶が蘇りました。

それは、私がまだ30代の頃、当時は大きなプロジェクトの真っ只中で、毎日、朝から晩まで忙しくシステム開発に勤しんでいました。

毎日、退社は22時頃、酷い時は終電ギリギリ、駅まで走る日も珍しくはありませんでした。

そんな、忙しい毎日、私の唯一の安らぎがランチタイムでした。

当時、私は、妻に簡単な、おにぎり弁当を作って貰い、それを昼、勤務先の近くの公園で食べていました。

丁度、今日のようなポカポカ陽気の日は、公園のベンチでゆっくりランチをするのが私の楽しみでした。

日頃、仕事で忙殺されていたので平和な昼間の公園で過ごす一時が、私にとって本当に癒しになっていました。

ポカポカ…

暖かくて気持ちいいなぁ～

ポカポカ…

このまま、午後もここで昼寝できたら最高だろうなぁ～

ポカポカ…

遊具で遊ぶ子供たちの楽しそうな姿にも癒されるなぁ～

ポカポカ…

はぁー、人生って本当はこんなに豊かで幸せなんだよなぁ～

ポカポカ…

・・・おっと、そろそろ仕事に戻らないと、、、午後から今週のメインイベント、負荷試験だなぁ…

ポカポカ…

今日はタクシーかなぁ、、早く帰りてぇ、、、はぁー、、、

ポカポカ…

昼休み、毎日、朝9:00～夜22:00、13時間勤務の中でたった1時間だけ許された貴重な癒しの時間。

その昼休みが終わると本当に後ろ髪を引かれる思いで、毎日毎日、戦場へと戻っていたのを今でも覚えています。

会社も仕事も負荷試験も全て投げ出して、あの公園のポカポカしたベンチに戻りたい…

子供たちの笑い声を聞きながら、あのポカポカしたベンチでノンビリ読書をしたい…

私はただ、ポカポカしたベンチで、何も考えずにゆっくり、ぼーっとしたかっただけなのです…

不思議ですね…。

一生懸命勉強して、良い大学出て、良い会社に入れば、人生薔薇色だよ

頑張れば、高級車に乗ったり、高級住宅街に住んだり、人も羨むような人生を送ることができるんだよ

そんな風に、教えられて、ただひたすらにガムシャラに頑張ってきた30代社畜エリート（自称）、、、

欲しかったのは、実は、ポカポカベンチとぼーっとする時間だけだったのです。

高級車も、高級時計も、でっかい家も、海外旅行も、なーんもいらんのです。

ポカポカベンチで安らかで静かな時間を過ごしたかっただけなのです。

私の人生、、、どこで間違えてしまったのか…。

こんなハズじゃなかったのに…。

でも、後悔しても後戻りはできません。

今日も終電までお仕事お仕事！！

泣く泣くポカポカベンチに別れを告げ、いざ負荷試験のために戦場へと戻る30代社畜エリート（自称）でした、、、

・・・

今、考えても、あの頃の自分は本当に不幸せだったと思います。

休みたいなぁ…

いやいや、今日も何とか頑張ろう！

もう逃げ出したいなぁ…

今週も後少しだ、頑張ろうよ！

はぁ…

もうすぐボーナスだし、頑張ろう！ね！ね！

ポカポカベンチ…

だよね…

毎日、自分の中の葛藤と闘いながら、騙し騙し仕事を頑張っていたのを良く覚えています。

まぁ、大なり小なり、世のサラリーマンの大半はこんな感じなんじゃないですかね？

なので、セミリタイアを達成した今、思うことは、もう、二度とあの頃の自分には戻りたくはない、と言うことです。

良く頑張っていたとは思いますが、もう一度やれと言われてもゴメン被ります。

過去の自分に戻りたくない、人生で最も輝いていそうな30代に戻りたくない、、、何て不健全なのでしょうか・・・。

そういう意味だと、これまでの人生は後悔の方が大きいのかもしれませんね・・・。

いずれにしろ、それから何年か後、令和２年の秋の本日、私は外出先の公園のベンチでゆっくりした時間を過ごすことが出来ました。

そう、ポカポカベンチで、です。

ぼーっとしてもいいですし、昼寝をしてもOKです。

心配事は、天候の急変と不審者扱いされないかと言うことぐらいです。

ガムシャラに働いてきた結果、50代手前にして、私は遂に、ポカポカベンチを手に入れたのです！！

そんなことを考えながら、平日、真昼間の公園でニヤリとほくそ笑むアラフィフ無職おじさんなのでした～☆

ではでは。